行田総合病院|骨粗鬆症 予防の三本柱

行田総合病院の広報誌「そうこう」より、骨粗鬆症の記事をご紹介します。


◇予防の三本柱 栄養・運動・骨貯金
骨粗鬆症をどうすれば防ぐことができるのでしょうか?まず食事は大事な要素です。骨を強くするのにはカルシウムが必要です。年齢や性別により必要とされる1日の摂取量は違いますが、10歳代の成長期でおよそ1g(1000mg)、高齢者でも600mg以上の接種が望ましいとされています。牛乳・チーズ・ヨーグルトなどの乳製品、干しエビ・魚・ひじきなどの海産物、モロヘイヤ・えんどう豆・大豆などの植物などに多く含まれています。

しかし、カルシウムを取るだけでは十分ではありません。骨は主に1型コラーゲンを鉄筋にリン酸カルシウムをコンクリートとした鉄筋コンクリートでできています。いくらカルシウムを摂っても、十分なコラーゲンが作られなければ丈夫な骨はできません。コラーゲンはアミノ酸、タンパク質でできていますので、タンパク質を摂ることが骨を強くすることにとって大切です。食品では豚肉・魚肉・豆腐・大豆製品などです。

カルシウムを腸管から吸収させやすくするビタミンDを摂取することも重要です。ビタミンDは日本では天然型ビタミンDとしては売られていませんが、医師の処方する活性型ビタミンD3として処方されています。日光に当たるのもこのビタミンDを作ることになります。ビタミンD摂取は多ければ多いほど良いというわけではありません。適量があります。多すぎると高カルシウム血症となり、腎障害、組織の石灰化などを起こします。しかし、ほとんどの人はビタミンD摂取量は不足気味ですので、意識して摂るようにしたほうがいいでしょう。食品では魚類・きくらげ・干しシイタケなどです。

運動も骨粗鬆症を予防する大切な要素です。骨は重力負荷がかからないと骨粗鬆症になります。宇宙飛行士が宇宙から帰還した後、骨密度が減り、筋力も落ちているので、それをいかに予防するかが宇宙医学で重要なテーマになっています。地上に住む私たちでも、寝たきりになってしまうと、骨粗鬆症がすすみ、骨が折れやすくなってしまいます。毎日の運動の積み重ねが大切です。

今まで述べた栄養や運動はどの世代でも重要ですが、子供から思春期にかけての若い世代は骨を貯金するつもりで、食物や運動に気を使ってもらいたいと思います。


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