行田総合病院|骨粗鬆症

行田総合病院の広報誌、そうこうより「骨粗鬆症」の記事をご紹介します。

骨粗鬆症とは?
骨は人体を形作る核(骨格とも言います)であり、理科室の模型などでも馴染みもありますが、骨は絶えず壊されて作られているという事実はあまり知られていません。骨の中には壊す担当の破骨細胞(はこつさいぼう)と作る担当の骨芽細胞(こつがさいぼう)があり、生きている限り壊され作り替えられています。

骨粗鬆症は「こつそすうりょう」と言われた時期もありましたが、現在は「こつそしょうしょう」でほぼ統一されています。これは骨を作っている外側の方イブ部jン(皮質骨)の厚みが薄くなり、骨の中のスポンジ状の柔らかい部分(髄質骨)に「す」が入ったように空洞が増えてくる状態です。当然予想されるように、外から力が加わった場合、潰れたり、折れたりしやすくなります。皮質にしても髄質にしても骨の連続性が絶たれた状態を私たちは骨折と呼んでいます。

高齢になると特に女性は閉経後、骨を作るホルモンのエストロゲンが減少し、骨の原料となるたんぱく質やカルシウムの摂取量も減少し、破骨細胞や骨芽細胞の数や働きも減少し、その結果骨粗鬆症状態となる訳です。


骨粗鬆症はなぜ問題なのか
骨粗鬆症は生理現象(病気ではなく、誰でも年を取れば起こる仕方ないこと)と片づけられていた事態もありました。理由の一つには、これを予防し、治療する手立てがなかったからでもあります。しかし、骨粗鬆症になると、簡単に骨折し、寝たきりになり、そのまま合併症で死亡してしまうことさえあります。近年、手術をして早くリハビリを行い、再び歩くことによりQOL(生活の質)を改善することもできるようになりました。更に一歩進めて、骨折を何とか予防すれば、QOLを保った豊かな老後を送れて、医療費も削減できるというプラスの社会的側面も注目されてきました。

また、骨粗鬆症による最初の脊椎の圧迫骨折はその後の多発圧迫骨折、大腿骨頸部骨折を引き起こす危険因子でもあります。ここに介入することにより、将来起こるかもしれない介護状態を回避することも可能になってきます。


骨粗鬆症とロコモティブ症候群
日本整形外科学会は2007年より運動器不安定症や運動器疾患により要介護状態になる危険度が高いロコモティブ症候群という概念を提唱し、広報活動を行ってきました。2000年から骨と関節の10年というキャンペーンに引き続いて骨粗鬆症の短縮形である「こつそ」とロコモティブ症候群の短縮形である「ロコモ」は整形外科が取り組むべき、車の車輪であります。


社会医療法人 壮幸会行田総合病院
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